牧師館から

ごあいさつ 牧師・芳賀繁浩(はが・しげひろ)



豊島北教会のホームページをご覧いただきありがとうございます。

教会に関心のある方、礼拝に行ってみたいと思っておられる方が、教会に足を運んでいただくきっかけになればと思っています。

キリスト教には、(残念なことではありますが)たくさんの教会があり、それぞれに考え方や教会のあり方について違いがあります。このホームページに記されていることも、キリスト教の公式見解というものではなく、わたしたち豊島北教会では(だいたい)こんな風に考えています、といった感じのものです。

いろいろ疑問を持たれる方も多いと思います。どうぞ教会にいらしてくださり、直接尋ねていただければと思います。

なぜ「復活祭」は「イースター」なのか


 イースターはイエス・キリストの復活を記念する、教会の最も古い祝祭です。けれども、この「イースター」という名前は、必ずしも聖書や教会の歴史に由来するものではありません。

 最初、イースターは「ペサハ」と呼ばれていました。それは、イスラエルの人々がモーセに率いられてエジプトを脱出したことを祝う「過ぎ越しの祭」を意味していました。復活祭をあらわすフランス語の「パーク」、イタリヤやスペイン、スウェーデンなどで使われるギリシャ語の「パスカ」は、この「ペサハ」から来ています。

 ところが、この「ペサハ」は、アングロ・サクソン民族への伝道が進められる中、彼らの春の祭を取り込んでいくことになります。その祭が「オスタラOstara」とか「エオステルEostre」と呼ばれていたことから、ドイツ語の「オステルンOstern」英語の「イースターEaster」となったと考えられます。そして、この祭りの名前は女神の名前から取られたとも言われます。

 イースターエッグも、本来は、卵に「大きな力が存在する」と信じて、卵を長い冬の束縛から解放され、新しい希望と繁栄を約束する春の始まりを象徴するものと考えた古代の人々の考えにさかのぼると言われます。

 イースターラビットも、この「春の祭」の伝統が生き残ったものと言われます。子をたくさん産むウサギが、命と誕生の象徴として大切にされ、それが風習として残ったというわけです。

 このように考えてくると、復活祭をイースターと呼び、卵やウサギを用いて祝うことが、教会にとって好ましいことなのかどうか疑問にも思えてきます。実際、イースターという呼び方をやめて、ペサハと呼ぼうという動きもあるそうですし、イースターエッグやイースターラビットを用いない教会も少なくありません。

 けれども、異教の女神の名前が付けられた春の祭をキリストの復活を祝う祭りに変え、冬が過ぎ去った喜びを罪と裁きが過ぎ去った喜びに重ね合わせ、新しい命の誕生をイエス・キリストの復活を指し示すものとして取り込んでいった、教会の大胆な伝道の姿をそこに見ることもできるでしょう。

 「福音のためならどんなことでも」しながら、創られたすべてのものに福音を宣べ伝えていった、いにしえの教会の伝道の熱心に学びたいと思います。

牧師・芳賀繁浩 プロフィール

1961年、福島県飯館村生まれ。
高校の合唱部で宗教曲(バードの「3声のミサ曲」とか、
タリスの「エレミア哀歌」とか)を歌ったのが
キリスト教との出会い。
大学1年の時に日本キリスト教会
仙台黒松教会牧師蓮見和男より受洗。
東北大学法学部教授宮田光雄主催の学生聖書研究会に出席。
日本キリスト教会神学校卒。
神戸桜ヶ丘伝道所牧師を経て現豊島北教会牧師。
日本キリスト教会神学校講師(歴史神学)。
妻一人息子一人娘一人猫一匹と同居中。
著訳書:J・モルトマン『人への奉仕と神の国』(共訳)、
『プツァーとカルヴァン』、E・A・マッキー『執事職』(共訳)、
『なぜ「秘密法」に反対か』(共訳)。